慶應義塾 創立150周年記念 未来をひらく 福澤諭吉展(福沢諭吉展)

福沢展 余録
企画の現場から

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展覧会のつぼ -名壺の邂逅-

「福沢展のツボ」を書かれている都倉先生を見習って、壺の話を一つ。

Img_1020_3 第7部の美術品展示では、2つの壺が展示されております。
ひとつは、松永安左エ門(耳庵)旧蔵の「色絵吉野山図茶壷」(重要文化財 福岡市美術館所蔵)です。
江戸時代17世紀の名工、野々村仁清の制作した茶壷です。
吉野山に咲く桜を金銀赤なのど色であらわした優美華麗な作品です。
春の景物を代表する吉野山の桜ということで「春の壺」ともいえましょう。

もう一つは、慶應義塾所蔵の「秋草文壺」(国宝)です。
こちらは、平安時代12世紀の作品です。その用途は骨臓器といわれています。
焼き締められた灰白色の器胎に、沈んだ緑色の灰釉がかかるしっとりと落ち着いた作行きです。
表面に線刻であらわされた薄や柳、とんぼなどが、秋の風情を醸し出し、その表現は絵画的にも優れております。
陶磁器部門の国宝第1号となった名品です。こちらは、「秋草文」の名が示すとおり「秋の壺」ともいえましょう。

日本人が、古来より文学や美術の分野でとりわけ好んで取り上げた春と秋の景物が描かれたこのふたつの壺が並んで見られるのも福沢展の楽しみの一つ。
「春の壺」と「秋の壺」の時代を超えた出会いをお楽しみください。

 

<<写真>>
「第7部の会場風景 左手前が「色絵吉野山茶壷」(重文 福岡市美術館所蔵)、左奥が「秋草文壺」(国宝 慶應義塾所蔵)、右側の作品は松永安左エ門の旧蔵品の数々

2009/01/18 0:51:00
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