慶應義塾 創立150周年記念 未来をひらく 福澤諭吉展(福沢諭吉展)

福沢展 余録
企画の現場から

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益田克徳と茶碗

第7部では、益田克徳作の黒楽茶碗 銘 小太郎ヶ淵と茶杓 銘 岩戸を、克徳旧蔵品の黒楽茶碗 銘 七里(本阿弥光悦作)と粉引酢次茶碗 銘 呉竹と一緒のケースに並べております。小太郎ヶ淵と岩戸は、東京会場では出陳せず、福岡・大阪での展示品です。

これらは、松永安左エ門の旧蔵品なので本来なら、松永旧蔵の茶碗と並べるべきでしたが、あえて、旧蔵品と自作の作品を一緒に並べてみました。

茶人として知られる克徳は、陶芸家としても同時期の茶人たちの間で高く評価されていました。

克徳作の茶碗は、近代の作品で比較的多く作られたようであるにも拘らず、今日では古美術市場に出てくることも稀と聞いております。

光悦の七里が、薄手の器胎に腰から上にすっきりとたちあがった姿をしているのに対し、克徳の小太郎ヶ淵は、ヘラ痕や手づくねの指跡の残る表面の起伏とぽってりと丸味のある姿が特徴となっております。
両者を並べると好対照をなし、黒楽茶碗の作風の広がりを感じることができます。

因みに、小太郎ヶ淵は、関東大震災で倒壊した古美術商の屋敷跡から無傷で発見されたという強運の持ち主です。

2009/05/11 23:23:00
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