慶應義塾 創立150周年記念 未来をひらく 福澤諭吉展(福沢諭吉展)

福澤研究センター 都倉武之が語る
福澤展のツボ

« 慶應義塾をめぐる芸術家たちと大阪 |メイン| 神奈川展は、東京展と全く違う内容です!! »

皆既日食と福澤諭吉(1)

07101_2 間もなく日本でも皆既日食が見えるとあって、ちまたでは何かと盛り上がってきているようです。東京でもだいぶ欠けるそうですので、それで満足しようと思っていますが、福澤と皆既日食といえば、『訓蒙窮理図解』(1868年刊)。この本にはご覧のように、日食・月食の仕組みが図入りで紹介されています。

展覧会でも展示しているこの本は、福澤があらゆる学問の基礎として重視した「科学的な物の見方」を教える教科書。平たくいえば理科の本です。挿絵がふんだんに使われていて、しかもその挿絵がちょっと面白いのです。

  

07102_2 福澤の文章はたとえ話が面白いのですが、この本でも、ある現象を説明するために、身近な例が巧みに紹介されています。その「身近」が当時の「身近」なので、いま見ると、時代がかっていて面白いというわけです。ご覧のいくつかの図は、いずれもそういった挿絵です。

  

  

07103_2   

  

  

  

  

  

07104_3

  

  

  

  

  

  

  

07105 その中で私のお気に入りは、この地球が丸いことを説明する図。地球上の上下左右に人が描かれていて、それぞれ地域色のある人物の姿が描かれています。上にいる人物はどうやら日本人で、羽織袴にチョンマゲ頭です。なかなかかわいくありませんか?福澤のこの本は、多くの西洋の本を参考に書かれていますが、それを読み込んだ上で咀嚼し、日本人向けにアレンジされています。その時に加えられる、ちょっとした福澤の味付けというのが、気が利いていて面白いのです。これが、西洋の本のただの翻訳であったら、挿絵もきっと西洋人的な視野の絵を写すだけで、今日見てもちっとも面白くない本だったでしょう。関心を起こさせ、わからせたいという気持ちが伝わるこういった工夫に、福澤の教育者としての側面を見出すことができます。

ちなみに、この本の挿絵をあしらった風呂敷が展覧会のグッズ売り場で売られています。

2009/07/10 23:56:00
未来をひらく福澤諭吉展 2009 東京,福岡,大阪

最近のエントリー(記事)

ページの先頭へ