2007/10/11 | 参加者の感想を掲載しました。
参加者の感想の一部を掲載します。
講演 「文学のアメリカ」 巽 孝之 (慶應義塾大学 文学部教授)
● 「学問のすすめ」の通り、演題「文学のアメリカ」を固く考えていた様である。根源にあるものは何か、さまざまな事象のぶつかりあいの中から生まれてくるものを見極める目を養う必要性を実感した。(50歳代 男性)
● ソフトパワー・ハードパワーについて文学面から語られたり、動画(映画)のワンシーンなどの手法で、私のように記憶力が劣化したものにとってはわかり易く、他者に話すときも明確で大変良かった。(50歳代 女性)
● アメリカ移民はヨーロッパが発生地ですし、キリスト教とのかかわりはどうしても避けられません。根底にあるキリスト教をどうとらえ、今まだ世界にある戦争、人種差別などあらためて考えなければならない問題を提起されたように思います。(50歳代 女性)
● <知的好奇心をくすぐられた点>
・福澤とT.Jeffersonの比較(特に高額紙幣に印刷される背景)
・映画での文学紹介は話にメリハリがついて気分転換になる
・『沈黙』と『緋文字』におけるキリスト教考察は面白い
● 遠藤周作の『沈黙』でフェレイラ師が語る内容はキリスト教に限らず異文化の受容に際しての我が国の姿勢を鋭く指摘したものであり、慶應義塾の掲げる「協生」にも役立つだろうという事は面白いと思った。(20歳代 男性)
● 日本が明治維新を経て近代国家へと歩む道を福澤諭吉とジェファーソン、エマーソンの視点から、また、異教徒との文化の交流、葛藤、弾圧の歴史を沈黙と緋文字という二つの映画から解明していった。分かり易い展開であり、改めて歴史のもつ重さを感じた。後世に何を伝えるか、何を伝えなければならないか。時代の変革の中でその重要性を痛感しました。(60歳代 男性)
● 多くの日本人は、儒教をベースに、宗教観が薄い傾向を持っていると思います。異文化、異宗教と出会った際の人間の様子を考える点を興味深く拝聴しました。アメリカ文学への足掛かりにしたいと思います。(40歳代 女性)
● 学術的にすばらしいものでしたが、一般の方々が聴講しておりますので、やや難易度が高かったのではないかと感じました。鼎談の時ぐらいに柔らかい話ですとよりわかりやすいと感じました。(30歳代 男性)
講演 「楽問ノススメ」 荻野 アンナ (慶應義塾大学 文学部教授)
● 巽先生の「文学」と「実学」と相まって、興味深く拝聴しました。日常生活上の動きを体系的に整理してみると、無意識のうちに異なった分野に近づいていると感じた。
例)アーケード: 実際の動きから地勢学的な物の見方と一致する気がする。(50歳代 男性)
● 心と身体の一致、不一致は、私も日頃から感じていることで、普段は意識していないことでも基本であると改めて感じました。又「日本文化私観」のブルーノ氏と坂口氏との対比など、捉え方を考えてゆくと大変深く感じられた。(50歳代 女性)
● 脱線しても最後には帰着するその芸に感服です。学問(楽問)がなぜ必要なのか、考えさせられました。(50歳代 女性)
● ・安吾とタウトの比較文化論は興味深い
・彼女のオープンで気さくな性格が話の流れに反映されていて親近感をもつ
● 講演時間がとても短く感じられた。ステッキ商人の話題を興味深く聞かせて頂いた。(20歳代 男性)
● 落語やボクシングをやっているだけあってフットワークが軽い。話題の展開が早く、豊富である。多角的、多面的な視点をもって自分を見る、生活を見直すことが、より一層自分を豊かにしていくということを改めて感じました。
文学が紙面から離れて、行動化されていくそのプロセスの中に、多くの生きるエネルギーが含まれていると思いました。楽しく聞かせていただきありがとうございました。”荻野アンナのユーモア人生”でした。(60歳代 男性)
● ユーモアを混えてのお話、全てがおもしろかったです。「人間はプロセスを経て学習し、その学習したものを自分のものとしていく。」この世に生まれてきた「人」として、心に刻んで日々を過ごそうと思いました。(40歳代 女性)
● 楽しく拝聴させていただきました。通信教育学部の塾生なため、もう少し学術的なお話もあるともっとよかったのではと感じました。(30歳代 男性)
講演 「推理と空理の小説史」 川又 千秋 (作家)
● SFと聞くと単なる作り話程度の印象を持っていましたが、歴史的にも深みがあると思いました。今までと印象が変わりました。(30歳代 男性)
● 70年代、中高生の時代、SFやミステリーを多数読んだ者として、楽しくお話を伺いました。これは「空理」小説では?、という小説に出会える日を楽しみにしたいと思っております。(40歳代 女性)
● 近代小説の流れを産業革命を背景としながらの解説であった。どのようにして二次元から三次元、三次元から四次元へと変わってきたのかを二人の作家をとり上げながら話してくれた。(初めはなかなか焦点化できず四次元の中を迷走していたが)。何気なく読んでいる本であるが、その時代時代の特色を背景に、小説のテーマもまた変わってきているのだナーと思いました。新しい視点、発見がありました。(60歳代 男性)
● 合理から推理、更には空理へと至る過程が実にわかりやすく述べられており、とても面白かった。(20歳代 男性)
● 合理と推理と空理小説のつながり、読むこと、書くことのおもしろさについて再認識した。(50歳代 女性)
● ・懐かしいマーク・トゥエインの話からタイムマシンまで、幅広くきめ細かく話されて、人間性が伝わってきて素晴らしかった。
・300文字小説にぜひチャレンジしたいです。PCが壊れているのでケイタイでもOKだと良いのですが。(50歳代 女性)
● 確かに推理小説との係わりは、古くなかった様に思える。戦前は探偵小説であったことも再認識できた。「合理」から「推理」、「空理」への展開は納得できた。ベルヌ、ウェルズなど35~40年前に初めて接した頃を思い起こした。(50歳代 男性)
講演者による鼎談 「文学のすすめ」
● 三者三様の思考方法、扱う事象に違いはあるが、さすが文学者、起承転結がしっかりしている。楽しい会話であった。(50歳代 男性)
● 文学という枠を超えて、世界観、人間観、文化観(異文化)を三人三様の立場から少し垣間見ることができた。(50歳代 女性)
● 講演会への期待は、一言でいうと日常性からの脱却にある。新しい発見や、ものの考え方、視点を明るくしてくれる。今日の講演会から鼎談は十分にその意義を満たしてくれた。そしてこの非日常性は日常に返ることを示唆している。(60歳代 男性)
※上記のほかにもたくさんの感想をお寄せいただきました。ご協力ありがとうございました。